大学に入って驚いたのは、女子大生たちの「ヤッホー」という挨拶。
そして、カバンに付けられた小さなぬいぐるみ「ぬい」の存在です。
そんな女子大生たちの不思議な習慣を眺めていたら、満員電車で思いがけない出来事に出会いました。
関 マサエ(当社IHS 代表取締役社長) 2026年11月2日
大学に入って不思議に感じたのは、学生たちが会うたびに「ヤッホー」と声を掛け合っていることです。
私は本気で、この女子大は山岳部が盛んなのだと思いました。
けれども、現れるのは登山靴や機能的なアウトドアウエアではなく、ミニスカートに厚底靴の学生たち。
どう見ても、富士山より渋谷が似合う。
学生から「ヤッホー」と声を掛けられると、私は律儀に「こんにちは」と返していました。
ある時、「どうしてヤッホーなの?」と聞くと、
「なんか、軽くて親しみがあるじゃないですか」と言います。
なるほど。
私たちの世代の「こんにちは」や「ごきげんよう」とは少し違う、彼女たちだけの気軽な合言葉なのでしょう。
調べてみると、登山で仲間の居場所を確かめる時などに使われる呼びかけだそうです。
カバンの中ではなく、外にいる「ぬい」
もう一つの不思議は、カバンに付けている小さなぬいぐるみです。
ディズニーや私の知らないキャラクター。
本人が応援している人を模した小さな人形が、透明のケースに大切に入れられているのです。
自分の「好き」を、カバンの外に堂々と付けて歩くのです。
先日、遅延した満員電車で、女子大生らしい子が突然「あっ、ぬいがいない!」と叫んでいました。
ぎゅうぎゅう詰めの車内では、「ぬい」って何?
どこにいるのかもわかりません。
すると、サラリーマン風のおじさんが小さな「ぬいぐるみ」=「ぬい」を拾い上げてくれました。
女子大生はいつもそばに置いている小さな相棒を取り戻し「ありがとうございます!」と喜んでいました。
そのおじさんは一瞬にして、女子大生のヒーローとなり、さっきまで遅延にいらだっていた車内も、映画のハッピーエンドのように和んでいました。
ミャクミャクに「ヤッホー」
挨拶も持ち物も時代とともに変わる。
でも、誰かとつながりたい、自分の好きなものを大切にしたいという気持ちは、案外変わらないのかもしれません。
自宅にある、会社の人から大阪万博の土産にもらった「ミャクミャク」ぬいに、小声で「ヤッホー」と声をかけてみました。
すると、「おおきに」と返ってきたような気がしました。
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