現場でのお客様との会話に「データをどう集めるか、どう分析するか、どう活用するか」と話題になることが多いです。
DX推進・コロナ禍による在宅勤務が増えたことで、必然的に業務の電子データ化が進み、社内に多くのデータが蓄積されるようになりました。このデータを活用するためのアウトプットが必要です。
そのアウトプットは、次のアクションへとつなげるためのデータである必要がある為ひとめで分かることが重要です。そのためのBIツールです。
今回のコラムは BI ツールについてお届けします。
現場担当者が行うデータ分析の必要性
「データから分析して業務に生かす」はなにも最近の話ではありません。人が商売を始めた頃から需要と供給を見極めるために台帳をつけて販売実績から仕入れを決定していました。
紙の処理で行われていたものがデータされた瞬間に、これまでは現場担当者の勘と経験で行われてきた判断の裏付けが実証されるようになります。この現場担当者が必要な情報分析の事を「セルフサービスBI」と言います。対して全社的なKPIや予実管理のダッシュボードを「エンタープライズBI」と言います。
従来はデータ分析できる情報がエンタープライズBIのデータしかなかったものが、業務の電子化によりより現場担当者に近い粒度の細かいデータも蓄積されるようになったのでセルフサービスBIが注目され活用する企業が増えているわけです。
例えばコーヒーショップの売り上げデータ分析について考えてみます。
経営者は全体の大きな数字や動向を注目する必要がありますが、商品開発担当や店長は異なった分析を行いたいです。
商品開発部門は商品部類や地域差でのデータを長期的に分析したいでしょう。
しかし、各店長は年間を通した気温や曜日ごとの売り上げが必要です。しかも単純な数字の羅列ではなく時系列グラフで表記されそれを定期的にチェックしたいでしょう。
それぞれ目的は違いますがPOSデータから自分で必要なデータを抽出しグラフを作成することが出来れば店舗ごとの独自プロモーションが可能になるでしょう。
IT部門主導のデータではなく現場担当者が必要とする分析を自分でできることが重要なのでセルフサービスBIというわけです。
Power BI
そこで利用すべきは Power BI です。
Power BI が他のBIツールと違うのは、ETLの機能と低価格です。
ETL(Extract:抽出、Transform:変換、Load:読み込み)の機能はPower BI Desktopでデータソースへの接続、データの修正、定期的な読み込みができます。この機能は現場担当者が自分のためのデータ分析、セルフサービス BI を行うためには必須の機能ですが、この機能が存在しないBIツールも存在します。(エンタープライズBI製品は、データ成型はデータベース側の役割としている場合もある為です)
無料版ではほとんどすべての機能を利用できますが、セキュリティを守って社内共有するためにはPro以上のライセンスが必要になります。まずは無料版で機能を試すことをお勧めします。
なお、Excelグラフでは閲覧者がデータを誤って編集してしまうことが出来てしまいますが Power BI レポートでは閲覧者はグラフを見るだけで編集することが出来ません。
本記事のまとめ
DXによりクラウドに電子データが集まることで、より現場に近い領域でのデータ活用が進み始めています。
現場担当者がクラウドデータを活用し、意思決定を迅速に、自信をもって行うためのデータを自分で作ることが出来るのが セルフサービスBIです。
「どんなデータがあれば意思決定を行うことが出来るか?」を考えながら現場担当者をサポートするためのツールを活用してください。
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