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【事例】業務自動化でDataverseに起きる容量の問題と解決例/Microsoft Power Platform

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今回のコラムは、当社IIMヒューマン・ソリューション株式会社(以下IHS)の現場エンジニアが業務自動化で蓄積したノウハウを記事化したものです。 情報システム部門の方、現場の業務デジタル化(効率化・自動化)ご担当者様、CTO・CIO・CDOの方、自動化を調査中・学習中の方などにご参考にしていただけますと幸いです。

目次

最近ではPower Platformを使用して業務自動化を進める企業が増えております。作成されたフローやアプリケーションはDataverseに格納されます。この時、多くの方が自動化を進める際などにDataverseのデータ容量がひっ迫してしまう問題や、その解決方法などについて解説します。

0. Microsoft Dataverseとは

Dataverseとは、マイクロソフト社のPower Platformで使用できるクラウド型のデータベースです。公式サイト、Wikipediaでの記載は下記となります。

1. Power Automate for Desktop(PAD)でフローを作成するとデータ容量が増加する

フローを作成した際に増加するデータサイズは、下記2パターンの場合にどのように違うのか、弊社環境で検証しました。

  • アクション数0件のフローを追加したとき
  • UI要素で画像認識アクションのフローを追加したとき

何のアクションも追加していない空のフローを作成した場合、1フローあたり、0.0173MBのデータサイズとなりました。

画像認識アクションのフローを追加した場合、1画像あたり、1.055MBのデータサイズとなりました。

画像認識アクション

Power Automate for Desktop(PAD)のデータは、PADフロー情報としてDataverseに保存されます。そしてデータのサイズは、その言語の文字数によって決まります。

画像データの場合、文字列が非常に長くなってしまうため、1つの画像でもこのように大きな容量が必要となります。

2. 容量の大きいフローを特定する方法

例えば「Microsoft SQL Server Management Studio」などのアプリでデータの中身を確認することができます。また、Power Appsからはテーブルでデータ参照が行えます。これらのツールを使用して、Dataverseの情報を取得することができます。

一覧表内には、Power Automate for Desktopにて作成し保存された、PADフロー情報が格納されています。ここには、どのバージョンで、どんな内容なのかという文字列が記載されており、この文字数がデータ容量となっています。

試しに、画像認識を使ったアクションの行を見ると、他のフローに比べて文字数が多くなっていることが分かります。

3. Dataverseの容量を効率的に確認する方法

Power AutomateでDataverse内の特定のデータを収集し、Excelの一覧表にまとめるフローを作成してみました。(※プレミアムコネクタを使用しますので有償のライセンスが必要です)

実行するとこのような一覧表が出力されるように設定してみました。
取得した情報をExcelに転記する際に、PAD情報フローの文字数をカウントするようにしたことで、各フローの容量が数値化され見やすくなっています。

Dataverseの容量を効率的に確認する方法

「208」とあるのが「アクション数0件のフローを追加したとき」となります。何も入っていなくても基本情報だけでも最低208文字は必要ということです。

4. 容量を削除し、作成者にアナウンスする

一覧化するリストでは、フロー作成者の情報も取得できます。また、フロー内のPADフロー情報も全て入っていますので、自身の環境にコピーアンドペーストをして、どんな中身なのかを確認することができます。

そのフローをチェックすることで、対象物として指定してはいけないサーバー名が含まれていない等を判定できる可能性があります。また、フローに決まったアクションを入れる等の組織のルールに則っているかを確認することもできます。

容量の多いフローに対して、削減できる箇所はないかアドバイスをしたり、「208」と出ている、おそらくテストで作成しただけのフローを削除することで、Dataverseの容量を整理整頓することが可能です。

本記事のまとめ

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
Power Platformを使用して業務自動化を進める際、フローを作成するとDataverseのデータ容量が増加します。この容量がひっ迫してしまう問題や、その解決方法などについて解説しました。

ぜひ、今後の業務自動化、Microsoft Power Platformの活用などにお役立ていただけますと幸いです。

※本件、事例のコラムは、隔月で掲載予定です。どうぞご期待ください!

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