Microsoft 365で利用できる自動化ソリューション、Power Automateについては 以前のコラムでもお伝えしました。
今回はクラウドサービスの自動化以外にも、Windowsの操作自動化についてお伝えします。
Power Automate Desktopとは
クラウドサービスの自動処理はPower Automateのクラウドフローを使いますが、Windows上の操作を記録し、繰り返し操作を自動化(これを「デスクトップフロー」と呼びます)するPower Automate Desktop(以後、PAD)があります。
例えば、
- 自社独自の業務アプリケーション上に表示された値をコピー
- Excel集計ファイルに値を貼り付けて集計
- 集計結果をコピー
- 会計システムへ貼り付けして登録
PADは【デスクトップ操作の自動化】を目的とした機能です。
こういった複数のアプリケーションを横断した自動化する製品は他社製品にもあるのですが高額でした。
しかし、マイクロソフトが2021年3月2日にWindows10ユーザー向けに追加費用なしで提供すると発表したことで、デスクトップ操作の自動化が一般ユーザーでも利用できるようになりました。
対して Power Automateの「クラウドフロー」は、これまでのコラムでも紹介したように、クラウドのデータを中心とした自動化処理です。
別のクラウドからデータを取得して、計算をして、別のクラウドへデータを投入する。そのようなクラウド操作の自動化が可能です。
名前の通り、PADもPower Automateというマイクロソフトの自動化ソリューションの機能のイチ機能として提供されています。
どちらの製品についても、自動化する対象となるのが「デスクトップ操作」か「クラウド操作」という違いがあるだけの別機能となります。
メリット/デメリット?
デスクトップフローとクラウドフローの両者についてよく「メリットとデメリットは?」とご質問を頂くことがありますが、自動化の対象が異なるのであまり比較できるものではありません。得意分野が異なります。
PADの得意分野は、ローカルパソコンでの操作です。
「クラウド連携に対応していない(API提供されていない)アプリケーションに対する自動化が可能」という点があります。
最初の例に挙げた「Excel」や「社内の会計システム」を自動化しようと思ってもパソコンを起動しておく必要がありますし、クラウド製品でもありません。
PADを活用することでこのような製品であっても自動化に組み込むことができます。
組み合わせで効果を発揮
Power AutomateとPADはどちらか単体で使うよりも組み合わせて活用することで応用範囲が広がります。
例えば、
- Salesforceにデータが登録されたら、クラウドフローでOneDriveのExcelファイルにデータを追加して(ここまでクラウドフロー)、デスクトップフローを起動する。
- パソコンのOneDriveフォルダーのExcelを開いて、パソコンの会計業務アプリに自動的にデータを登録する。(デスクトップフロー)
もちろん逆にデスクトップフローの途中でクラウドフローを呼び出して実行することも可能です。
※ただし、Power Automate有償プランが必要です。
本記事のまとめ
今回は PAD(Power Automate Desktop)のデスクトップフローとクラウドフローの違いと連携についてお伝えしました。
連携するには有償プランが必要になりますが、毎月の定型業務を自動化することもできますし、大量データを一括登録することもできます。
活用方法はアイデア次第ですので自社業務の自動化を検討してみてはいかがでしょうか。
Power Automate Desktop でできること|できないこと については当社Webサイトもご確認ください。
https://www.iimhs.co.jp/services/ms365/power-automate-desktop/
マイクロソフトの事例が紹介されていますので Power Automate Desktop の日本国事例は以下のURLから参照してください。
マイクロソフトの事例検索:
https://customers.microsoft.com/ja-jp/search?sq=&ff=story_product_categories%26%3EPower%20Automate&p=0&so=story_publish_date%20desc
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