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Power Platformのフローやアプリを管理。IHSが提供するアプリ管理台帳「Power MoniT」とは

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今回のコラムでは、当社がサービス提供しておりますアプリ管理台帳「Power MoniT」を使用したアプリケーションの管理につきまして、その使用感をお試しいただいたお客様の事例をご紹介させていただきます。
※本コラムは2023年8月に掲載した内容をリライトしています。

目次

Power Platformを活用する企業様が増えてきました。ユーザ部門の方が自ら業務の改善を図り、業務の効率化を目指しています。Power Platformを利用すると、誰でも比較的簡単にアプリケーションやフローを作成することができます。

一方で、社員に自由に作成してもらうことにより、全体を把握して管理することが難しいといった新たな課題もあるのではないでしょうか。

例えば、以下のような課題が考えられます。

  • バージョン管理が困難
    複数のアプリケーションが作成されると、バージョン管理が難しくなり、バグの対応や修正対応が遅れたり、エラー対応ができなかったりする可能性があります。
  • セキュリティリスクの問題
    悪意のあるアプリケーションが作成されるリスクや、機密データへの不正アクセスによる機密情報の漏洩につながる可能性があります。
  • アプリケーションの属人化による問題
    作成したユーザの異動や退職に伴い、アプリケーションの中身が分からなくなり、エラー対応や修正作業が困難になる可能性があります。
こうした中、弊社ではお客様の業務効率化や社内開発・運用体制を少しでも強化し、内製化を進める支援ができないかを考え、「アプリ管理台帳」を開発いたしました。
なお、当初は「アプリ管理台帳」としておりましたが、現在はツール名を「Power MoniT」とし、提供をしております。以下、「Power MoniT」と記載させていただきます。

0. 弊社が提供する「Power MoniT」とは

「Power MoniT」とは、マイクロソフト社のPower Platformを社内で活用するにあたり、ユーザが作成したフローやアプリケーションの管理をするためのツールです。

Power MoniTを使用することにより、以下の情報を定期的に収集することができます。管理者の管理が容易になるだけでなく、監視・モニタリングを行っていることを周知することにより牽制を働かせてリスクの削減にもつなげることができます。

収集できる情報

  • 誰が、いつ、どのような目的で作成したのか
  • 現在も使用しているのか
  • ガバナンスに沿って作成がされているか
  • セキュリティ上、問題はないか

1. Power MoniTの作成イメージと管理方法

「Power MoniT」では以下のようにデータを収集、管理いたします。

  1. ユーザが作成したアプリケーションやフローを日次で自動収集する。
  2. Power MoniTに取得した情報を書き込む。
  3. 同時にユーザへ、利用用途をヒアリングするためのFormsを送り、情報を書き込んでいただき、管理台帳に追記する。
  4. 管理者が管理台帳に登録された情報を閲覧する。

【フロー】

フロー

【画面イメージ】

画面イメージ

2. 実際の使用感について(大手食品メーカー様へインタビュー)

「アプリ管理台帳」を実際に試用していただきました大手食品メーカー様に、試用に至った背景、使用感についてインタビューをさせていただきました。
※本インタビューは、2023年8月に実施しております。

<Q1>
御社ではPower Platformの利用者が年々増えております。全社への利用促進をされていらっしゃるのでしょうか?

<A1>
利用の促進はしていませんが、ユーザから利用・活用の相談があった際には対応しています。一般的に公開されているアプリケーションでもありますので、現時点では利用するユーザが各自で勉強をして利用していただく想定をしています。


<Q2>
「アプリ管理台帳」を試用するに至った背景をお聞かせください。

<A2>
前述の通り、利用・活用の促進を情報システム部では行っておりませんが、運用が野放しになることにより、ガバナンスの観点から問題となるケースが発生していないか懸念があります。
例)承認処理などの、社員が行うべき作業の自動化
そのため、利用状況を掌握できることが望ましいと考え試用に至りました。


<Q3>
実際に使用してみて、見えてきたことはありますか?例えば、ガバナンス上、問題がありそうな点が発見できたなどはございましたか?

<A3>
毎年、利用者が増えていることが確認できました。但しその一方で、収集したフロー名やアプリ名を確認した限りではありますが、現段階では、「テスト」とついているものが多く、実運用に至っているフローやアプリはまだまだ少ないように見受けられます。

ガバナンスの観点で怪しい使い方をしていると思われるようなものは見つかりませんでしたが、件名と内容が乖離している可能性もあり、正確な判断がつかない、と言うのが正直なところです。


<Q4>
使用してみての感想や追加してほしい機能や項目があれば教えてください。

<A4>
Power AutomateやPower AppsよりもPower Automate Desktopが一番自由に利用されているのではないかと思っています。体感としてもPower Automate Desktopを使用している人が多いと感じているので、機能追加になるとは思いますが、Power Automate Desktopのフローを把握できればいいなと思っています。さらに、本番運用を開始した、という日付が入るといいと思います。

そうすると利用実態を把握して棚卸しをするといった使い方ができるのではないかと思います。利用者は新しく作ることはあっても削除することはほとんどしないので、どんどん増えてきてしまうため、本当に使われているのかが分かりにくいと思います。そう言う意味でも作成日、変更日のみではデータとして足りず、最終の実行日があるといいと思います。

また、業務を自動化するとなると、どのくらいの工数削減につながったのか、といった話が必ず出てきます。例えば分母に当たる項目を選択して、見込みでも何時間の削減につながったのか、一日単位、もしくは1ヶ月、年単位にでも把握できると効果が見えてくる気がしています。


<Q5>
今後はどのように活用されていくご予定でしょうか?

<A5>
今は収集した情報を週次で確認しています。実態確認に留まっていて、このツールと利用した次の一歩が決まっていないのが現状です。


<Q6>
「アプリ管理台帳」は今後も使用していきたいと思えるツールでしょうか?

<A6>
はい。ただし業務上、どうしても必要なツールではないので、もし金額が高いと躊躇してしまうかもしれません。


<Q7>
まだまだ改善の余地があると認識していますが、他のお客様にオススメできそうなアプリでしょうか?

<A7>
ニーズはあると思います。何を管理したいかが明確であれば、ツールが手助けになって使用していけるのではないでしょうか。


インタビューは以上となります。ありがとうございました。大手食品メーカー様にご協力をいただきました。

3. CoEスターターキットとの違い

アプリケーションの管理ツールとして、Microsoftが無償で提供しているツールが、Power Platform Center of Excellence(CoE)です。
CoEは、Power Platformを管理、および監視ができるツールです。
Power MoniTは、お客様のご要望に応じた管理項目の追加やカスタマイズができますので、お客様独自の管理ツールとしてご利用いただけます。また、必要に応じて、CoEと同じような機能も追加することも可能です。

CoEは、Dataverseの情報を、主にPower Automateを利用してデータを収集し、Power Appsで結果を表示していますが、Power MoniTは、Dataverseの情報をPower Automateを利用して収集とデータのメンテナンスを行い、Appsで表示する、もしくは、ユーザに情報を入力していただくフォームを用意しています。

さらに、CoEは構築方法が難しく、日本語のドキュメントがあまりないことも利用をする上での障壁になりますが、弊社ではPower MoniTの構築から運用をご支援しておりますので、安心してご利用いただけるかと思います。

Power MoniTの機能については今後もこちらのコラム等でアップデートしてまいりますので、今後もご参照ください。

4. 本記事のまとめ

社内での業務改善、効率化を推進する一方で、リスクをできる限り少なくし、かつ費用対効果の高い施策を検討されている企業様も多いことと思います。

当初の「アプリ管理台帳」をご試用いただいた際に確認いたしました以下の課題について、現在の「Power MoniT」では、カスタマイズを可能とする、代替機能を提供する等にて、解決しております。

  • Power Automate Desktopのフローも把握できるよう改善が必要
  • 収集する項目、利用者に登録いただく際の項目の見直し(追加)
  • ご利用になる企業様が把握したい項目を追加できるようにするなどの柔軟性
また、弊社ではPower Platformの活用に際して、ユーザ部門の方への教育やユーザサポートも対応しております。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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