2025年07月
Microsoft 365環境への移行とPower Platform活用
今回ご紹介するのは、オンプレミス環境で運用されていたメーリングリスト管理システムを、Microsoft 365のPower Platformを活用しクラウド環境へ移行した事例です。
旧システムはOffice 365の配布グループを利用していましたが、システムの老朽化や仕様変更への対応、また基本認証の廃止に伴うOAuth認証への移行など、さまざまな課題を抱えていました。
弊社では、これらの技術的課題を踏まえたシステム構成の見直しから、Power AppsやSharePoint、PowerShellを活用した新たな仕組みの構築、そして現在の保守運用までを一貫してご支援しています。
概要
業種 | 情報サービス業 |
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目的 | 既存のオンプレミス環境に構築されていたメーリングリスト管理システムを、Microsoft 365環境に移行・再構築 |
作業ボリューム | 作業期間3カ月間(工数 約3人月) |
作業内容 | 設計、構築、テスト、保守 |
背景
これまでオンプレミス環境にてOffice 365を利用し、メーリングリスト管理システムを運用していました。しかし、システムの老朽化に加え、Office 365の仕様変更にも対応していく必要があり、オンプレミス環境での運用を継続するには多くの開発コストがかかることが課題となっていました。
そのため、全社で利用しているMicrosoft 365のPower Platformを活用し、クラウド環境での再構築を検討することになりました。弊社では本案件において、新システムの構築支援(旧システムからの移行)および保守を担当させていただきました。
課題
従来のシステムでは、オンプレミス環境でOffice 365を使用し、「配布グループ」と呼ばれるグループアカウントをメールの宛先として利用していました。また、認証方式として使用していた「基本認証」が廃止されることに伴い、「OAuth認証」への対応が求められました。
この変更により、従来使用していたPowerShellのスクリプトを刷新する必要があり、あわせてクラウド環境への移行に際してはバッチサーバとの連携も考慮する必要がありました。
お客様が弊社を選定いただいた理由
すでに弊社のスタッフが常駐していたこと、加えて弊社がPower Platform開発に対応している点をご評価いただき、お声がけいただきました。実際には、他社との比較検討もされたうえで、コスト面なども踏まえて弊社をご選定いただいたとのことです。
作業効果と評価ポイント
構築フェーズでの対応と工夫
当初は弊社担当者側でも一部スキル不足があり、構築作業に苦労する場面もありました。Microsoft 365の仕様は目に見えない部分も多く、実際に動かしてみると思惑通りに動作しないケースもありました。原因調査や、仕様にあわせた追加開発が必要になることもありましたが、お客様と弊社担当者が綿密に相談しながら進めたことで、無事に課題を解決し構築を完了することができました。
コミュニケーション手段としては主にTeamsを利用し、懸念点があればすぐに連絡を取り合うなど、丁寧かつ迅速な対応を心がけており、その点をご評価いただいております。
導入後の改善ポイント
新しいクラウド環境に移行したことで、サーバのOSなどインフラ面を意識する必要がなくなり、運用の負担が軽減されました。
従来の仕組みでは、システムが安定せず定期的にサービスの再起動が必要になることがありましたが、新システムではその頻度が大きく減少し、安定性が向上した点をご評価いただいています。
なお現在も一部で再起動が必要になるケースがあり、その要因としてはオンプレミス環境とのデータ連携時の遅延や、バッチサーバの処理に起因するセッション切断が挙げられています。これらについては、現在改善策を検討中です。
現在の保守体制とお客様の評価
現在のシステムは弊社にて保守対応を担当しております。不具合が見つかった際には、真摯かつ迅速に対応しており、「実際に動いてもらえている実感がある」「他のベンダーにはない対応体制である」との評価をお客様からいただいております。
今後の展望
今後も老朽化していくシステムがいくつかあるため、今回と同様にMicrosoft 365を活用した再構築を進めていくことを検討されているとのことです。
この事例のPDFをダウンロード
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