2025年09月
セミナーアンケートの自動集計と可視化(Forms・Power Automate・Power BI活用)
今回の事例は、弊社社内での取り組みをご紹介した事例です。
定期的に実施しているセミナーのアンケート業務を対象に、従来の社内サーバ保存からMicrosoft Forms・Power Automate・Power BIを活用した仕組みに刷新しました。
回答データをリアルタイムに集計・可視化し、リモート環境でも円滑に共有できるようにしたことで、業務効率化と情報活用の高度化を実現しました。
本事例では、その背景と効果をご紹介します。
背景
弊社では定期的にセミナーを開催しており、アンケートを自社Webページで受け付けていました。しかし、回答データはセミナー開催の数日後に担当者がデータを抽出し、社内サーバに保存していたため、以下の課題がありました。
- 社内サーバは外部アクセスが制限されているため、リモート勤務の社員が確認しにくい。
- 結果も反映に時間がかかり、関係者間での共有がタイムリーに行えない。
- データを十分に活用できない。
そこで、アンケートの入力をMicrosoft Formsに切り替え、Power Automateを用いて、SharePoint上のExcelへ自動転記する仕組みを構築しました。
さらに、そのExcelデータをPower BIでグラフ化することで、関係者がリアルタイムに分かりやすく結果を確認できるようにしました。
概要
業種 | 情報サービス業 |
---|---|
目的 |
|
作業ボリューム | 作業期間1カ月間(工数 約1人月)(対象セミナー5件) |
作業内容 |
|
作業効果
リアルタイム集計によるタイムラグの解消と効率化
従来は担当者が一定期間後にデータを手作業でエクスポートし、社内サーバに格納していました。そのため、処理のタイミング以降に回答された内容は反映されず、集計が完全でないケースもありました。
今回、Power Automateを利用してFormsの回答を即時にExcelへ自動転記する仕組みを導入したことで、すべての回答がリアルタイムに反映されるようになり、漏れのない集計が可能となりました。さらに、担当者によるエクスポートや保存等の手作業が不要となり、作業負荷の大幅な軽減につながりました。
リモート環境におけるアクセス性の向上
以前は、アンケート結果を保存していた社内サーバが外部から利用しづらく、リモート勤務の社員にとって結果を確認しにくい状況でした。
今回、SharePoint上にデータを集約したことで、インターネット環境があれば場所を問わず最新の結果にアクセスできるようになりました。
これにより、リモート勤務や外出先からでも円滑に情報を確認・共有できるようになり、社内全体での活用が進みました。
可視化による理解促進
アンケート結果をExcelに蓄積するだけでは、回答の傾向や改善ポイントを把握するのに時間がかかっていました。
そこで、Power BIを活用してグラフ化することで、回答傾向を直感的に理解できるようになりました。これにより、関係者は必要な情報を短時間で把握でき、セミナー内容の改善や次回の企画立案など、より実践的な活用につなげられるようになりました。
作業内容の詳細
Forms作成(アンケート入力フォーム)
既存の自社Webページのアンケート項目をもとにFormsを作成
Power Automateフロー作成(FormsからExcel自動転記)
Formsの回答送信をトリガーに、SharePoint上のExcelへ自動追記するフローを作成
Power BI Desktopレポート作成(グラフ化)
1. 転記されたExcelデータを取り込み、設問ごとにグラフ(ビジュアル)を作成
2. レポートをクラウド上のPower BIサービスに発行
3. 関係者が閲覧しやすいよう、SharePointのホーム画面にBIレポートを埋め込み
動作テスト
1. Forms、Power Automateの確認(フォーム送信からExcel反映を確認)
2. Power BIの確認(ExcelデータがPower BIに正しく反映され、グラフ表示されることを確認)
展開
運用開始とアンケート結果確認方法を関係者に周知
まとめ(弊社支援による効果)
今回の事例は弊社社内での取り組みですが、Power Platformを活用することで、業務の自動化や情報共有の効率化を幅広く実現できます。
「どの業務を自動化できるか」「どのようにフローを設計すべきか」といった検討から、導入・定着化まで幅広くご支援いたします。
この事例のPDFをダウンロード
「セミナーアンケートの自動集計と可視化(Forms・Power Automate・Power BI活用)」のPDFはこちらからダウンロードできます。