弊社IIMヒューマン・ソリューションのエンジニアが発信するブログです。
最新の技術トレンドや便利な開発ツール、仕事の考え方などをご紹介します。
2026年07月30日
はじめに
先日、社内システムをAWSへ移設するプロジェクトの中で、監視ツール全体のAWSネイティブ化(見直し)を行いました。
サーバーのリソース監視やサービス・ログ監視については、標準のAmazon CloudWatch / CloudWatch Logsへすんなり移行できたのですが、一つ工夫が必要だったのが「URLの外形監視」です。
これをAWSネイティブで実現するために「CloudWatch Synthetics Canary」を採用したのですが、今回の構成上のポイントは「対象サイトがインターネットへの接続を許可していない、プライベートVPC内の内部環境だった」という点です。
閉域環境でCanary(外形監視)を構築する際のポイント
パブリックなWebサイトなら数クリックで設定できますが、閉域環境だとそうはいきません。
閉域環境でCanaryを運用するにあたり、主に以下の3点が設計上のポイントになりました。
- VPC内(プライベートサブネット)にCanaryを配置
- Canary(Lambda)をVPC内に配置し、内部のロードバランサー(ALB)やプライベートIPに対して直接リクエストを送信する構成にしました。 - VPCエンドポイント(Interface Endpoint)の活用
- Canaryがテスト結果やログをCloudWatch/S3へ送信する際も、インターネットを経由せず、VPCエンドポイント経由で通信を完結させることでセキュリティ要件をクリアしました。 - 認証情報はSecrets Managerから動的取得
- 社内用のBasic認証がかかっているエンドポイントだったため、パスワードをスクリプト内に直接記述(ハードコード)せず、実行時にAWS Secrets Managerから動的に取得・注入するセキュアな構成にしました。
外部ツールからAWS標準に移行して良かったこと
- セキュリティポリシーを完全遵守できた
インターネットにポートを開けたり、外部監視ツールのIPアドレスを許可リストで管理したりする必要がなくなりました。 - アラート通知フローのシームレスな統合
Canaryでの外形監視エラーも最終的にCloudWatch Alarmsのメトリクスとして扱えるため、リソース監視と同じ通知フロー(Amazon SNS経由)にそのまま乗せることができました。 - IaC(コード化)による管理の統一
インフラのコード管理にCanaryの監視定義も組み込めるため、環境構築や横展開が容易になりました。
まとめ
「外形監視=パブリックなURLを外から叩くもの」と思われがちですが、セキュリティ制限の厳しいエンタープライズ環境や内部サイトこそ、VPC内で安全に完結できるCanaryが活躍します。
クラウド移行時の監視設計で悩んでいる方の参考になれば幸いです。
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