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ジャパンネット銀行(現:PayPay銀行)のRPAを用いた業務の効率化とIHSの貢献・取り組みについて

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2020年10月

ジャパンネット銀行(現:PayPay銀行)のRPAを用いた業務の効率化とIHSの貢献・取り組みについて

2018年からジャパンネット銀行(現:PayPay銀行)では、業務改革プロジェクトの一環でRPA(WinActor)を導入、今日までに銀行業務、OA作業など120業務以上に適用、稼働しています。ジャパンネット銀行では、全社のRPAをIT部門で集中して開発、管理する方式を採用しており、IHSは導入当初より、開発のルール作り、シナリオの制作、稼働後のサポートをIT部門に提供してきました。以下、ジャパンネット銀行におけるRPA(WinActor)の導入とIHSの貢献についてお伺いしました。

企業情報

名称 株式会社ジャパンネット銀行(現:PayPay銀行株式会社)
開業 2000年10月12日
資本金 372億5千万円(2020年6月30日現在)
代表者 代表取締役社長 田鎖 智人
所在地 〒163-0440 東京都新宿区西新宿二丁目1番1号
事業内容 ジャパンネット銀行はインターネット・IT革命を背景として、消費者志向型の新たなインターネット金融サービス提供をビジネスモデルとした、2000年10月開業の日本初のインターネット専業銀行です。FinTech業界を牽引すべく、従来の銀行にはない新しいサービスやシステムの開発・提供に努め、身近で支持される銀行を目指しています。
(基本戦略)
  • デジタル化を徹底した次世代顧客コミュニケーション(選ばれるサービス、AIを活用した最適な提案)
  • Zホールディングスの経済圏への浸透(ヤフー、PayPayなどZHDグループ各社との連携強化)
  • 法人サービス強化による、中小企業マーケットの拡大(独自の商品ラインアップで、中小企業をサポート)

背景

1. 業務の効率化に際して、WinActor導入を決めた背景を教えてください。

ジャパンネット銀行では、2018年に業務改革プロジェクトを立ち上げ、お客さまとの接点から銀行の後方事務まで広範囲にわたる改革推進をスタートさせました。その中で、RPAは最も短期的に省力効果が実現できる有効な手段と位置づけられ導入に至りました。数あるRPA製品の中からWinActorを選択した主な理由は、操作が直感的にわかりやすかったことです。当初はユーザー部署でのシナリオ作成も想定していたため、誰にでも使いこなせる、操作が簡単なツールが必要でした。

2. WinActorを適用する業務の選定や社内への啓蒙はどうされましたか。

業務選定については、各部からどういう業務をRPA化したいかという希望を年一度のペースで募り、業務効率化効果、RPA適用可否を検証したうえで業務を選定し、優先度付けを行っています。現在は第三期目のプロジェクトで、これまでに全体で120件以上の業務にRPAを適用しました。
社内への啓蒙については、WinActorの導入開始間もなく、業務効率化の道具としてRPAをどのように活用すればいいかを導入部署の好事例を参考に全社的な勉強会を行いました。さらに、社内ポータルに動画をアップするなど、WinActorの利用啓蒙をIT部門が主導で実施していきました。

3. WinActorを用いた業務の具体例を教えてください。

例1)RPA化前は、口座開設、ローン契約の書類審査完了後に、審査結果リストを基に人手で1件1件システムに結果入力する作業を行っていました。1日に数百件となるため、時間と人手が必要になっていました。それを前後の事務フローを見直し、審査結果リストからシステムにRPAで転記するようにしました。作業負荷軽減に加え、精神的な負担が減ったと社内での評価は高いです。

例2)郵便物が不着で返ってくる場合、どの郵送物が、どういう理由で戻ってきたかの履歴をシステムで管理しています。以前は不着郵便物のリストを人手でシステムに登録していましたがRPAにより登録することで省力化されました。

一方で、RPA化で得られた効果がより本質的な業務の改革を考える時間に振り向けられたことにより、書類のイメージ処理やフロントとバックのシステム間連携など、高度なシステム化が順次実現してきています。

4. 業務の効率化についての成果と評価軸について教えてください。

手作業で行っていた際の所要時間とRPA化後に残った手作業の所要時間との差を定量的な効果としています。また、気を配らなければいけない細かい作業がRPA化されたために精神的ストレスも削減されたといった定性的な効果も補完的な評価項目にしています。
シナリオによっては定量効果が十分見えないものもありますので、複数のシナリオをまとめてプロジェクトとして計画し、プロジェクト単位で投資対効果を評価する方法をとっています。

5. IHSに依頼するに至った経緯とIHSの業務について教えてください。

IHS独自の標準導入手法の提案が決め手でした。具体的には、1)シナリオ開発やテストの工程が標準化されていたこと、2)ドキュメント類が全てあらかじめ定義されていたこと、3)弾力的な開発、サポートの態勢を組んでいただけたこと、といった点を評価し契約に至りました。
IHSにはIT部門に常駐いただく形態で、シナリオ作成と運用開始後に発生するエラーの原因調査、修正対応などを委託しています。

6. IHSに対する評価はいかかでしょうか。

2年におよぶパートナーシップにより、ジャパンネット銀行の事務、システムをよく把握いただいており、当社の環境下で発生するRPAのインシデントにもすばやく対応していただけています。インシデントの傾向把握や対応ノウハウの蓄積も日々着実に積みあがっており、IT部門集中方式でのRPA管理をしっかりとサポートしていただけています。シナリオの集中サポートに欠かせない開発ドキュメントの作成も標準化されており、とても役に立っています。

7. 今後の予定を教えてください。

細かな業務を含めると現場にはまだまだRPA化の余地は残っていますので継続して推進していきます。一方で、シナリオ数増加に伴い、シナリオの管理やエラーサポートの負荷が増加しつつあるのは課題と認識しています。
RPA化によりこれまで担当者の日常に埋もれていた業務が一気に見える化できましたので、一段上の視野からの抜本的な業務改革につなげて行ければと考えています。


今回お話しをお伺いした方々:

株式会社ジャパンネット銀行(現:PayPay銀行株式会社)
IT本部開発四部 シニアマネージャー
飯塚 敦 様


IT本部開発四部 社内システム第二グループ グループ長
開発 丈志 様


IT本部 開発四部 社内システム第二グループ
工藤 将貴 様

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