2023年11月
Power AutomateとMicrosoft 365製品群を利用した社内アプリケーション利用確認ワークフローの構築・自動化
企業や省庁でDX実現のための業務効率化・自動化が進行する中、鹿島建物総合管理株式会社 ICTソリューション部様(以下鹿島建物様)のIT業務を、IIMヒューマン・ソリューション株式会社(以下IHS)は支援しております。※過去記事はこちら
そして2022年頃、鹿島建物様は、RPAのWinActorを一部の部署で導入していた一方、市場ではMicrosoft Power Automateの活用事例が増加。Webでも話題が増える中で、鹿島建物様は、Power Automateの特性理解や構築ノウハウ習得の上、課題によって様々な業務自動化ツールを適切に使い分けられる状態をto beとして設定。
その手段を、直近の課題となっていた「クラウドサービス利用確認に関する問い合わせ件数増加、ワークフロー煩雑化の解決」として、IHSに相談。IHSが「Power AutomateとM365製品群を利用した社内アプリケーション利用確認ワークフローの構築・自動化」を支援しました。
企業情報
名称 | 鹿島建物総合管理株式会社 |
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設立 | 1985年 |
資本金 | 1億円 |
代表者 | 代表取締役社長 山本 和雄 |
所在地 | 〒104-0061 東京都中央区銀座6-17-1 銀座6丁目-SQUARE |
事業内容 | 建物総合管理 |
概要
業種 | 建設・不動産 |
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目的 | ICT担当部門として様々な業務自動化ツールを適切に使い分けるためのPower Automateの特性理解・構築ノウハウ習得、直近の社内申請に関する課題解決 |
作業ボリューム | 1.5人月 ※2名体制、2カ月間 |
作業内容 | Power AutomateとM365製品群(Teams、SharePoint)を利用した社内アプリケーション利用確認ワークフローの構築・自動化 (要件定義、基本設計、詳細設計、メンテナンス手順書作成) |
構成図
作業効果
ICT部門から社内へのPower Automate構築事例の公開による業務自動化促進
<課題の詳細>
鹿島建物様内でユーザーに許可されていないクラウドサービスの利用確認に関する問い合わせ件数の増加、ワークフローの煩雑化
<どのように改善したか>
クラウドサービス利用確認To Beプロセス&ワークフロー作成、Power Automateによる業務自動化・効率化
- 構成要素:Forms、Power Automate、SharePoint
- 作業工程:要件定義、基本設計、詳細設計、メンテナンス手順書作成
<どんな効果があったか>
- ICT部門におけるPower Automateの特性理解、構築ノウハウ習得
- 社内でPower Automateによる新しい自動化事例の共有、社内の様々な部門と業務における自動化の促進
- 社内ICT部門の若手や現場DX担当者への理解促進
弊社に対する評価ポイント
普段のIT業務支援における満足度の高さ
「WinActorの導入もIHSさんにお願いしており、今も2名の技術者に常駐いただいておりますので、相談しやすい状況でした。普段から営業担当の方にもお声がけいただいています。そのため本件の相談で他社さんに声をかけようとは考えず、最初からIHSさんに相談をしました。」
アジャイル型のプロジェクト進行
「総合的な感想として、弊社に寄り添っていただけたことが、ありがたいと感じました。プロジェクトは、予定通りにいかない、想定通りにいかないことが絶対に出てくるものです。そのような中でも、いつも状況に合わせて柔軟にご対応いただけたことが、有難かったです。」
導入後の自走を視野にいれたサポート
「もともとPower Automateによる構築の理解とノウハウ習得が目的でした。IHSさんは、構築後に自社で運用できるように、メンテナンスしやすいように設計、詳細な内容をドキュメントに落とし込んでくれました。細かいところまでご配慮いただき感謝しております。」
現状の課題と今後の展望
状況変化に伴う追加対応
「Power Automateをどのように使えるか試したいという当初の目的は達成しました。クラウドサービスの利用確認は増え続けておりますので、自動化しておいて大変良かったと思っています。
構築したものは問題なく動作していますが、ユーザーからの相談内容などによっては定常化しにくいケース、自動化できていないケースも発生しています。また、日々変化する脅威への対応のため、自動返信する内容変更などの追加対応も必要となっています。IHSさんが内製化を視野に手厚く書いてくれたメンテナンス手順書が非常に参考になります。今後は社内で定期的な確認とブラッシュアップをしていきます。」
ボリューム増加への対処、部門ごとのチェックシート作成の効率化
「現在は、クラウドサービスを使ってもよいかとの問合せがますます増えており苦労しているため、何かいい方法はないかと模索中です。
利用サービスはお客様指定などいくつかのパターンがあり、留意点の自動返信で対応できるものもありますが、当社でクラウドサービスを契約・運用する場合、自動化できるのはチェックシートの作成依頼を自動返信するところまでです。
その後、導入部署でチェックシートを作成し、IT部門がセキュリティリスク評価、サービスごとに実施すべきセキュリティ対策や留意点を整理して伝えています。選定~契約までのハードルが下がったことで利用確認の要望が増え、IT部門はこれまでなかった業務により高負荷となっております。
特にチェックシートの作成のところは、サービスごとに新しい方が担当されるのでノウハウが積み上げられず、何回もやりとりしてようやく完成することがほとんどです。中には、確認事項への返信が1か月後に来ることもありますので、複数案件の確認状況を抑えておくのにも苦労しています。そこで、部署ごとにクラウドサービス担当者を選定し、毎回同じ人に対応いただく可能性を検討中です。
また、各部署が選定してきたクラウドサービスを個別に導入していくと、似たようなサービスが社内に溢れ、データ利活用の観点からもよろしくありませんし、全社的なコストやリスクの把握が難しくなることも懸念しており、関連部署と検討を進めています。」
有人対応の体制や仕組みづくり
「当社では問合せの一次受けをAIチャットボットに少しずつ集約し、効率的に自己解決できるように目指しております。
とはいえ、複雑な手続きや対処など、自動回答では難しいケースは、有人で対応する必要があります。
そこで、チャットボットから繋ぐ有人対応先をアウトソースできないか構想しております。それも、完全アウトソースではなく、当部の若手とタッグを組み、効率的に処理しながら、対応ノウハウやスキルを若手に継承していけるようなことをイメージしており、体制や仕組みづくりを、IHSさんと一緒に進めていけないかなと思っています。
IT部門が担う領域は、変化も早く、高度化し、複雑化しています。限られた人数で対応しており、ITで便利になっているはずなのに、大変です(笑)。
IHSさんに、ITコンシェルジュみたいな役割をぜひ担ってほしいと思っています。」(鹿島建物総合管理株式会社 持田様)
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