2021年07月
Zabbixサーバの構築
企業のIT活用が拡大する中、情報システム部門が管理するサーバ数も増加傾向にあり、管理業務も複雑化しています。
こうしたサーバ数の増加に伴い、サーバの監視漏れによる障害検知の遅延や、より高度な監視が必要になる場面が増えています。
このような状況下で、製品サポート期限の迫る監視サーバを保有するお客様において、弊社がリプレース対応を実施させていただくこととなりました。その際、単純にリプレースを行うだけでなく、現行の課題を把握、分析した上で、OS置き換えによるライセンス料金節約、監視機能の強化、ドキュメントの作成による業務効率向上、運用フェーズでは自動化による運用効率化を実現しました。
概要
業種 | 製造業 |
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目的 | Zabbixを使用した監視サーバの構築 |
作業規模 | Zabbixサーバ 2台 (監視対象は約400台) |
作業ボリューム | 約1人月 |
作業内容 | Zabbixサーバのリプレース |
構成図
作業効果
監視サーバの冗長化
<課題の詳細>
現行の監視サーバは1台構成であり、このサーバの停止時には監視対象400台の監視機能が失われるリスクがあった。
<どのように改善したか>
お客様のご要望に従い、監視サーバを2台構成で構築したが、その際、2台からのアラートメール二重送信によるシステム担当者のメール受信BOXの逼迫を防ぐ為、データベースを直接更新するスクリプトとZabbixアクションを設定。1号機のZabbixサービス停止をトリガーとして2号機のメール送信機能を有効にする機能を実装した。監視サーバのOSについて、Zabbixが利用可能なLinux OS 7種類を比較。無償利用かつサポート期限の長いCentOS 8を選定した。
<どんな効果があったか>
1号機のZabbixサービス停止時にも監視機能を維持できるようになった。また、OSの変更により、ライセンス料金を節約できた。
監視機能の拡大
<課題の詳細>
現行の監視サーバではZabbixの監視機能と一部のサービス監視のみ使用しており、Zabbixの機能を有効活用できていない状況であった。
<どのように改善したか>
テスト用サーバへのZabbixエージェントの導入と検証を実施。詳細なサービス監視やリソース監視を可能にした。
また、仮想サーバに対する監視機能も検証し、実装。監視機能を拡大した。
<どんな効果があったか>
リソース使用状況やサービスの監視が可能となった。
サービス停止時のアラートメール通知により、障害の早期検知も可能となり、監視機能を強化することができた。
ドキュメントの整備
<課題の詳細>
現行の監視サーバに関するドキュメントが整備されておらず、OS設計やZabbix設定、運用手順等が可視化されていない状況であった。
<どのように改善したか>
監視サーバの設計書と運用手順書を作成。
合わせて構築手順書も作成し、CentOSのインストールおよび初期設定手順は他サーバでも流用できるようにした。
<どんな効果があったか>
設計の可視化と運用手順の標準化を実現。チーム内への説明が簡略化でき、作業引継ぎが容易になって、業務効率が向上した。
また、別のサーバでCentOSの構築が必要となった際にも構築手順書を流用でき、案件遂行を効率化できた。
弊社利用による効果
Zabbixデータベースの移行
<内容>
現行の監視サーバにて使用していたZabbixはバージョン2.2であり、監視設定のエクスポート機能を持たない上に、サポート期限が迫っていたため、バージョンアップを行う必要がありました。しかし、Zabbix 2.2から5.0へのバージョンアップやデータ移行について、Zabbix社からは情報公開がありませんでした。そこで、Zabbix社提供の英語マニュアルやセミナー参加、MySQLの知識等を元にデータベースの移行手順書を作成し、対応いたしました。
2号機をテスト環境としてデータベース移行を検証し、スムーズに移行を実現することができた点をお客様に評価いただきました。
自動化による運用の効率化
<内容>
サーバ構築後の運用フェーズでは、サービスを監視するだけでなく、停止確認後のサービス起動を自動化しました。
異なるサービスに対しても汎用的に実行できるZabbixアクションを設計し、実装しました。
必要に応じて、一部のサービスについてはサーバへスクリプト配置の上、実装したため、サーバへのアクセスや手作業での操作が不要となり、運用の効率化に繋げることができました。
作業内容の詳細
調査
1. 事前調査
- 現行Zabbixサーバの構成とOS設定
- 現行Zabbixサーバの設定
- 新バージョンZabbix5.0に適したOSとミドルウェア
設計
1. 基本設計
- OS設計
- ソフトウェア設計
- セキュリティ設計
- バックアップ設計
- 運用設計
環境構築
1. ゲストOSの作成
- サーバ構築手順書を作成
- ゲストOSの作成
- CentOS 8のインストール
- 各ミドルウェアのインストール
- ネットワーク設定
2.Zabbixインストール
- Zabbixのインストール
3. Zabbixリプレース
- リプレース方法の調査および検討
- リプレース手順書の作成
- Zabbixデータベースのリプレース
4.Zabbixアラートメール 冗長化設定
- スクリプトファイルの作成
動作検証
1. Zabbixサーバ 検証
- 基本機能
- アラート通知
2.Zabbixエージェント 検証
- Zabbixエージェントのインストール
- リソース監視
- サービス監視
3. Zabbix アラートメール 冗長化検証
- アラートメール 冗長化検証
4.Zabbix バックアップ 検証
- バックアップ検証
納品ドキュメント
- 設計書
- 構築手順書
- 運用手順書
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