2019年05月
業務の可視化、効率化
ワークスタイル変革(働き方改革)が注目されている中、各企業様では、業務の効率化による生産性の向上等、改革に向けた様々な取り組みが実施されております。しかしながら、実施した施策により、ワークスタイル変革に成功し、成果をあげる企業も存在する一方で、思うように取り組みが進まない企業様も多いようです。
今回ご紹介する事例のお客様は、ワークスタイル変革の一つとして、一定程度の品質を確保しつつ、業務を効率化するため取り組んでいらっしゃいましたが、課題が見つかり進めない状況であったため、弊社にて解決に向けご支援させていただきました。
お客様は、社内のアカウント関連業務を 5 年に亘り、パートナー企業へ業務委託しておりましたが、委託元である当該企業の担当者様が業務の詳細までを把握することができておらず、結果的に業務がブラックボックス化してしまっており、以下の問題が解決できずにおりました。
・作業担当者によって作業品質にばらつきがあり品質が安定しない。
・作業工数が減らず、人員数が適切であるのかが判断できない。
上記の課題を解決するため、弊社にて業務を可視化し、プロセスを見直することにより、効率化を実現することができました。
概要
業種 | 金融業 |
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目的 | アカウント関連申請業務の品質向上、及び効率化 |
作業規模 |
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作業効果
業務の可視化
<課題の詳細>
- どのような業務があり、どのようなサービスレベルで実施しているのか等、すべてを把握できている人がいない。
- 担当者、関係者毎に使用している用語(業務名等)が異なりコミニュケーションエラーが発生している。
<どのように改善したか>
以下の対応を行い、現在の業務に即した業務一覧(サービスカタログ)の作成を行った。
- 5 年以上前に作成された各業務の手順書や各担当者が自身のナレッジのためにこれまでの作業において記載していたメモを集約した。
- 各業務の業務名、サービスレベル(期限)、関連文書、関係部署、必要工数の洗い出しを行なった。
<どんな効果があったか>
- すべての関係者間で用語が統一されたことによりコミュニケーションエラーが減少した。
- 業務の全体像が把握できるようになり、個々の業務で設定されているサービスレベルが容易に把握できるようになった。
業務ボリュームの可視化
<課題の詳細>
作業依頼は書面で申請をされるため、各作業依頼申請に対してサービスレベル(期限)が守られているか把握することができない。
<どのように改善したか>
すべての申請を台帳としてリスト化し、各作業依頼申請についてサービスレベル(期限)が達成できているかを可視化した。
<どんな効果があったか>
各作業依頼申請に対する進捗が第三者からでも把握できるようになったため、作業担当者が不在の際には他の担当者に振り分ける等の対応ができるようになり、サービスレベルの達成率が高くなった。
また業務ボリュームが把握できるようになったことで、各担当者へ適切な工数で作業を振り分けることができるようになった。
弊社利用による効果
業務の可視化
業務委託先の担当者毎に業務名や業務範囲の認識が異なっている可能性があったため、各担当者からのヒアリング、および社内の担当者との認識合わせを実施し、業務名や業務範囲等を明確化した。
業務名や業務範囲が明確になったことで業務が可視化され、コミュニケーションエラーが減少するだけでなく、業務の全体像を把握することが容易になった。
作業手順の統一化、及び効率化
作業手順が明確化されていなかったため、イレギュラー時の対応など委託先の各担当者毎にこれまでの経験値等により対応をされており、属人化されているケースが散見された。そのため各担当者からすべてのナレッジを共有してもらい、現在の業務に即した業務フローに落とし込みを行った。
作成した業務フローを元に各作業担当者とディスカッションを行い、抜け漏れが無いかの確認を実施した。
さらなる業務効率化の検討
ワークスタイル変革は社内の業務プロセスを整理し、見直すことにより生産性の向上を図ることがポイントになるが、現場は現業務に追われていることが多く、改善に着手することに後ろ向きなこともある。しかしながら、業務を整理し、業務手順の統一化や不要な業務を排除するなどを行い、少し効果が見えてくると、現場も改善に向け前向きに取り組めるようになり、新たな業務効率化のための施策を検討するミーティングに時間を割くなど、さらなるチャレンジができる。
作業内容の詳細
可視化
業務の洗い出し
- 既存ドキュメントの精査
- 各作業担当者及びプロパーへのヒアリングを実施
ドキュメント整備
- 業務一覧(サービスカタログ)の作成及びプロパーとの合意
作業手順の統一化、及び効率化
業務内容の把握
- 各作業担当者からの業務引継ぎ
- 既存ドキュメント、各担当者個人のナレッジ精査
ドキュメント作成
- 業務フロー(AsIs)の作成
- 各作業担当者とのディスカッション
プロパーとの現状の認識合わせ業務改善
- 重複や既に意味のなくなった不要な手順の削除
- 同じ結果をもたらす複数の手順を統一化
- 申請時のルールを明確にし、フローの共通化及びフロー数の削減
ドキュメント作成
- 新業務フローの作成、プロパーとの合意
- 手順書の作成
新業務フロー、手順のレクチャー
納品ドキュメント
- 業務一覧(サービスカタログ)
- 新業務フロー
- 運用手順書
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