ITインフラを支えるスペシャリスト IIMヒューマン・ソリューション

  • youtube

RPA推進のノウハウ 8月創刊号

btn_pagetop

■ 業務自動化のすすめ/RPA推進の秘訣 ■

● 自動化推進の目標と方針を検討する

ロボットの代行による業務時間の削減のための目標設定が必要であり、それは推進においても効果的です。結果として全社的な目標は「業績への貢献」につながりますが、業務時間の削減と同時に、自動化のためのロボット開発、運用保守のコストが発生します。そのためコストを上回る効果を考慮して、自動化を推進することが必要になります。
目標とする削減時間を達成するには、関連する各要素を評価しなければなりません。ロボット1本当たり何時間削減できるか、ロボットは何本必要か、開発する人は誰で何人必要か、などを想定します。視点を変えると、削減効果の低いロボットは自動化の対象から外す、または特別な理由がなければ優先度を下げることが必要です。
また開発する人が多ければ、より多くのロボットを短い期間に開発できます。情報システム部門でそれを全て担うと、より時間がかかり、目標達成が遅くなる、或いは目標値が小さくなります。
そこでキーとなるのが業務担当者の人達です。業務を熟知していることは大きなポイントで、自身でロボット開発できれば全社的な目標達成の効果が大きくなります。またRPAツールによっては、IT経験がなくても使いやすいようにどんどん進化しており、開発作業も負荷が小さくなっています。

      <ご検討・ご相談ポイント>

  • 目標値を設定する
  • 自動化コストを考える
  • 自動化対象業務を評価する

● 既存業務プロセスを再考する

弊社ではRPAに取り組んだ初期の段階から「業務プロセス」に注目し、自動化においてはそれがキーになると想定して数々のご支援やセミナーを提供してきました。
「業務改革」という大きなものではなく、日々の作業手順や方法、データなどの小さな改善に注目します。自動化対象となる一連のプロセスを改めて見てみると、そういう改善に結構気が付くものです。
既存の作業手順は一つのアルゴリズムで出来上がっており、場合によっては以前から引き継いでずっとこうしている、ということもあるでしょう。このアルゴリズム(手順)を変えるとどうなるか、違う手順や省略などでより効率的になるのではないか、といった思考が重要です。
自動化を開始する時、すぐにRPAツールを立ち上げてロボットを考える前に、まずロボット化部分やそれに関連する一連の業務プロセスを見直してみることをお勧めします。

      <ご検討・ご相談ポイント>

  • 既存の業務プロセスを見直す
  • 異なる手順や方法を思考する
  • 自動化と同時に業務プロセスも改善する


■ RPAツール/製品のあれこれ ■

以下の内容は、WinActorの FAQページ でもご確認いただけます。

最新のWinActor7をうまく利用するために、以下の特徴を取り上げ、ご紹介します。


● 使い方によって作業効率が上がる

WinActor7では複数シナリオを同時に開くことができるようになった為、シナリオ間でノードのコピー&ペーストが可能になりました。
以前のバージョンではシナリオ開発中に他のシナリオを照会したい時は、一旦閉じて他のシナリオを見る必要がありました。また、他のシナリオから一部のノードを流用するためには、そのシナリオをインポートし、不要部分や変数の削除が必要でした。
WinActor7では複数のシナリオを同時に起動させ、ノードのコピーや貼り付けを行うことで、容易に別シナリオを活用することができ、効率的に作業ができるようになりました。


● 処理スピードが速くなったとは

WinActor7になり処理スピードが格段に速くなった為、以前のバージョンで作成したシナリオを実行すると、画面上の処理が追い付かず、エラーが発生するケースがあります。本番実行する前には必要なテストを十分行うことをお勧めします。
対処の例として、処理の間に「待機ノード」を配置する事でエラーを防ぐことができます。

      <待機時間の役割を果たすノード例>

  • 指定時間待機
  • 画像マッチング(タイムアウトで分岐)
  • IE操作(読込完了待ち)
  • ウィンドウ状態待機(画面が操作可能になるまで)
なお、これらのノードの使い分けについては、改めてご説明します。

● IT未経験者でも使える新ユーザーインターフェースのこと

WinActorは初心者向けにも使いやすいツールですが、変数の使用やフローチャートの構成など、プログラム的な知識が必要なところがあります。その部分を払拭したものが新たに提供される「WinActor Storyboard」です。
この新エディターでは、文章をつなげていく形式でシナリオを作成します。また、自動記録やIEモードで細かいプロパティや変数の設定をしなくても、簡単な内容(ExcelからExcelへ変数を設定せずに転記など)のシナリオ作成が行えます。Storyboardで作成したシナリオはWinActor7でも開くことができ、設定した値は自動で変数に変換されます。


RPAが初めての人など、まずシナリオ作成の初歩的な流れをつかみたい、RPA製品を使ってみたいという方向けにオススメです。自動化に貢献できるRPA利用者を更に増やすことへつながるでしょう。
Storyboardの機能については、継続してご紹介します。


■ RPAのトレンド/ WinActorとUiPathが似てきた!?両者の戦略は? ■

ここでは変化していくWinActorとUiPathの2製品に関して、特徴や戦略をご説明します。

● WinActorについて

将来的な戦略としてはWinActor自体の利便性向上はもちろん、自動化領域の拡大が可能なように様々な市中ツールとの連携を強化していくようです。
(例)BPMツールの分析結果をもとにWinActorシナリオや仕様書を作成する、等


(出典:NTTアドバンステクノロジ株式会社『WinActorロードマップ2021)

利便性向上の方向性としてWinActor Ver7以降では、現状よりもより簡易的に開発ができる「StoryBoard」が追加で提供され、RPAの利用可能なユーザ層をより広げています。
具体的には変数情報を利用せず、完全にマウスのみで操作可能なレベルまでの落とし込みです。その分、複雑な分岐条件設定は出来ませんがExcelの関数のように、業務を簡易自動化できるのでニーズはありそうです。



(出典:株式会社NTTデータ 『WinActor Ver.7のご紹介』2021年2月4日 第1.0版 P.68)

上記より以下の方向性が見えてきます。
  1. WinActor単体での自動化領域拡大ではなく、他社ツールとの連携を強化して実現させていく
  2. WinActorに高度開発可能な機能実装というよりも、既存機能の拡充、さらにスキルのバリアフリー化と言えるような、通常のWinActorでも利用が難しいユーザー層へターゲットを拡げている

● UiPathについて

こちらの戦略としては、ガートナーが提唱するハイパーオートメーション(UiPathは超自動化と言っている)の方針に乗っ取り、UiPath社で全て完結するように製品群をリリースしてきています。
具体的には発見⇒開発⇒管理⇒実行⇒協働⇒測定までをできるようにしているわけです。また各工程のニーズに併せて、大規模から小規模まで、高スキルから低スキルまで、全方位のユーザーに刺さるようにソリューション展開しているのが特徴です。



(出典:UiPath株式会社『UiPathの強みと既存RPA資産をUiPathに移行するポイント』P.15)

WinActor等と比較されるようなロースキル向け製品としては「UiPath StudioX」という製品を提供し、通常のUiPathロボット開発で必要なVB.Net構文などを利用せずにExcelセル(プロジェクトノートブック)をそのまま利用して開発できるようにしている事も特徴です。



(出典:UiPath株式会社『StudioX &コア製品 21.4アップデート情報』P.6)

上記より以下の方向性が見えてきます。
  1. UiPath社としては自社ソリューションで全ての製品を完結させていきたい
  2. 利用するユーザーのスコープの全方位に対して拡げていきたい

最後に2つの製品に関して「どちらを選択すべきか?」という疑問に対して回答します。
UiPath社製品は全方位でソリューション展開しているので、幅広い要件がある場合は、それらを満たし易い製品を利用することができます。ただし、製品が多く全てを把握することが非常に難しいため、RPAの活用における戦略が曖昧になりかねません。
実際稼働しているロボット数が30~50以下で、開発、運用、管理及び教育コストに大きな問題を抱えていない場合は、WinActorでの利用を継続したほうが実現したい内容が達成できると考えています。

もちろんお客様によって様々な考え方やケースがございますので、お気軽に弊社へご相談頂ければと思います。




お問い合わせ
ご相談・お見積りのみのご依頼も、お気軽にお問い合わせください。
03-4333-1111 9:00 ~ 17:45 (土日、祝日を除く)