近年、多くの企業がSlackやMicrosoft Teamsなどのチャットツールを導入し、社内コミュニケーションの効率化を図っています。これらのツールは、従来の電話やメールに代わる新しいコミュニケーション手段として定着しつつあり、さらにAIチャットの導入によって、その利便性は一層高まっています。
この記事では、チャットコミュニケーションのメリット、AIチャットボットとは何か、そして、AIチャットボットを社内で利用するメリットと活用例について紹介します。
チャットコミュニケーションのメリット
チャットツールの登場以前は、社内外のコミュニケーションは電話やメールで行われていました。しかし、これらの手段には多くの課題がありました。
たとえば、電話でのコミュニケーションは、緊急時に利便性を発揮する一方で、通話の内容が記録されないため、後から内容を確認することが難しいというデメリットがあります。また、受け手は自身の業務を中断せざるを得ず、受け手の負担が大きい手段です。
メールでのコミュニケーションは、文章を丁寧に書く必要があり時間がかかったり、大量のメールが来ると重要な情報が埋もれやすかったりというデメリットがあります。文面で記録できる良さはありますが、スピード感のあるやり取りには不向きです。
こうした課題を解決するために、SlackやTeamsなどのチャットツールが登場しました。これらのツールには、主に次のようなメリットがあります。
迅速なコミュニケーション
チャットツールはリアルタイムでのメッセージのやり取りが可能であり、迅速な意思決定や問題解決が期待できます。たとえば、営業チームがクライアントとの交渉中に技術的な質問が出た場合、エンジニアにすぐにチャットで問い合わせて迅速に回答を得られます。
情報の整理と検索のしやすさ
チャットはすべてのやり取りが自動的に保存されるため、後で見返したり、情報を参照したりするのが簡単です。さらに、チャンネルやスレッドを使ってトピックごとに会話を整理できるため、情報の見逃しを防げます。また、過去のメッセージやファイルを簡単に検索できるので、必要な情報をすぐに見つけることができます。
業務効率アップ
チャットツールを使えば、ファイルの共有やタスクの割り当て、メモの共有が簡単にできるため、プロジェクトチーム内の連携がスムーズになります。
また、さまざまな外部アプリとの連携が可能です。たとえば、SlackとGoogle Driveを連携させることで、チャット画面上でドキュメントの確認や編集ができます。これにより、複数のツールを行き来する必要がなくなり、業務効率がアップします。
リモートワークのサポート
場所を問わずにコミュニケーションが可能なため、リモートワークの環境でもスムーズに業務を行えます。たとえば、在宅勤務のスタッフがチャットツールを使ってオフィスの同僚と連携し、会議やタスクの進行をリアルタイムで共有することができます。
柔軟なコミュニケーションスタイル
電話やメールのように形式ばらないやり取りができるため、カジュアルなコミュニケーションが促進され、チームメンバー間の距離を縮める効果があります。
社内でAIチャットボットを利用するメリットと活用例
チャットツールの進化は止まらず、最近ではAIチャットボットの導入が進んでいます。AIチャットボットとは、AI(人工知能)を使って人間との会話を自動的に行うプログラムです。テキストや音声でのやり取りを通じて、人間のように質問に答えたり、指示に従ったりすることができます。
最近では、ウェブサイト上の「よくある質問」などにAIチャットボットを導入する企業が増えています。しかし、AIチャットボットは顧客向けだけでなく、社内コミュニケーションにおいても高い利便性を持っています。
ここでは、そのメリットと活用例について紹介します。
24時間対応と迅速なサポート
AIチャットボットは24時間稼働しているため、従業員からの質問やサポートリクエストに対して即座に対応できます。特に、異なるタイムゾーンで働くグローバルなチーム、リモートワーカー、夜間シフトで働く人にとって便利です。
業務効率アップ
AIチャットボットは、従業員からの一般的な質問(福利厚生、休暇申請、社内ポリシーなど)に対する定型的な回答を自動化できます。これにより、従業員は手間をかけずに必要な情報を迅速に取得でき、人事やサポート担当者の負担も軽減されます。
また、日常的なタスク(会議のスケジュール設定、タスクのリマインド、定型業務の自動化など)をサポートすることも可能です。そのため、従業員はルーチン作業に時間を取られず、より重要な業務に専念することができます。
ナレッジマネジメントの強化
AIチャットボットは社内のナレッジベースと連携し、従業員が必要とする情報をすぐに提供することができます。たとえば、新入社員が社内ポリシーや手順を素早く理解するのに役立つほか、プロジェクトの過去のデータやノウハウを即座に引き出すことが可能です。
パーソナライズされたサポート
AIはユーザーの過去の行動や質問を学習し、個々の従業員に合わせたサポートを提供できます。たとえば、ある従業員が以前に特定の業務について質問をしていた場合、「前回の質問と関連した内容として、こちらの情報もご確認ください」というように、関連情報の提供が可能です。
また、AIが従業員の所属するチームやプロジェクトの情報を把握することで、マーケティングチームのメンバーには最新のマーケティング戦略や施策に関する情報を、エンジニアチームには新しい技術導入のアナウンスを届ける、といったこともできます。
分析とインサイトの提供
AIチャットボットは、会話のログやユーザーの行動を分析し、どの情報がよく求められているのか、どの業務プロセスに改善が必要かなどのインサイトを提供できます。これにより、社内の改善点を特定し、業務の効率化に役立てることができます。
従業員エンゲージメントの向上
AIチャットボットは、従業員との日常的なコミュニケーションをサポートし、フィードバックの収集や満足度の調査なども行えます。そのため、従業員の声をリアルタイムで反映し、職場環境の改善につなげることができます。
多言語サポート
AIチャットボットは多言語対応が可能なため、グローバルなチームで働く際に言語の壁を超えてコミュニケーションを円滑に進めることができます。これは、多文化チームにおいて特に重要です。
コストの削減
AIチャットボットは、人手による対応を減らすことで、運用コストを削減することができます。特に、問い合わせ対応や簡単なタスクの自動化による人件費の削減が期待できます。
本記事のまとめ
これからの時代、こうしたチャットツールを積極的に活用することで、より効率的で生産的な職場環境を構築し、競争力を高めることが求められています。
企業として、まずは小規模なチームでの導入から始め、徐々に全社展開することを検討してみてはいかがでしょうか。チャットツールの活用が、組織の成長を後押しする重要な鍵となるかもしれません。
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