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RPA推進のノウハウ 4月号 ー業務自動化のすすめ/RPA推進の秘訣ー

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■ 業務自動化のすすめ/RPA推進の秘訣 ■

● 自動化新プロセスの見える化

WinActorで自動化を行う際、対象業務や現行作業が把握できると、担当者としてはすぐにロボットの流れはこうで、ノードやライブラリはあれを使用すればいいかなど思いつき、さっそくWinActorを起動してシナリオの作成にとりかかりがちです。

WinActorの機能を事前確認する必要はあるのですが、まず「業務プロセス設計」を行い、その後「シナリオ設計」へと進めていく手順をお奨めします。


● 新業務プロセス設計の目的と方法

顧客向けにも社内向けにも、より適した効果的なプロセスは積み重ねると全社的な業務改革につながっていくと考えています。
個人レベルの最適化や、業務担当者一人ひとりの改善思考が集まって結果的に大きな効果を生み出すことでしょう。


「設計の目的」

  • 弊社では「設計」を行ってから「開発」することをルールとしています。
    また「業務プロセス設計」を行ってから「ロボット設計」を行うことにしています。
  • 人の行っている作業をそっくりそのままロボットに移行することも一つの目的ですが、更に踏み込んで業務プロセス自体を改善できないかを考え、より適した設計を工夫することが大事です。
  • 「効率的」なプロセス設計が大事です。例えばボトルネックが起こらないように、スムーズな情報や作業の流れを工夫することなどは有効です。
  • 処理が複雑でなく、条件判断が少なく、無駄のないシンプルなプロセス設計は次のロボット開発上も負荷が抑えられ、コストやメンテナンス面でも大きな効果を生み出します。
  • 設計して見える化することで、全体を俯瞰し、効率や負荷、課題などの視点で更に改善することができます。
  • 注意点として、業務プロセス設計がいつのまにかあいまいになり、ロボット設計のようになることがあります。
    あくまで新プロセスの設計が先で、ロボットの仕様を表すことではありません。

「設計の方法」

以下に弊社で行っている一例として、図式化や設計項目をご紹介します。

  • フローチャート図
    弊社では新プロセスの設計を簡単なフローチャート図にして見える化しています。フローチャートの描き方には様々な手法がありますが、よりシンプルに以下の6要素を使うだけで表すようにしています。
    また、図はWinActorのシナリオをイメージして、開始から終了までを縦に流れるように表しています。
    ① 業務(単位プロセス、単位作業)
    ② 順序
    ③ 判断(条件分岐)
    ④ 開始(トリガー)
    ⑤ 終了
    ⑥ 接続(別の場所への繋がり)
  • 使用データ(入力用、出力用、参照用)
    プロセスは入力される情報を何らかに加工して出力します。また加工時に別情報を参照することもあります。
    これらをフローチャートの単位プロセスに並べて記入しています。それによりどこでどの情報を使用するかが容易に分かり、情報の使用方法などの検討にも役立ちます。
  • 業務担当者
    各プロセス、または全体プロセスを担当している人を明記します。複数の人が細かく分担している場合もあります。担当の割り当てが適切かを確認できます。
  • 想定工数
    プロセス単位やまとまりで、作業時間(分)がどれだけかかっているかを記入します。工数によっては検討課題になることもあります。
  • ロボット移行可否
    全体プロセスの中でどの部分がロボットになるか(自動化されるか)を確認します。その部分が次のロボット設計へ繋がります。
    この可否確認で、人とロボットの作業分担や、ロボット部分が明確になり、更なる自動化の検討や次期プロセス改善にも役立ちます。
  • その他説明
    単位プロセスを描きだしていると、新たな課題や、自動化を一気に行わず段階的に進める工夫などに気付くことがあります。設計者の視点で各種コメントなどあればここに説明を加えておき、継続的な改善へ繋げていきます。

● 新プロセスによる効果の想定

前述のようにフローチャートとして、現行業務の流れに新たな自動化を加えた新業務プロセスが出来上がります。
そこで新業務プロセスがどのような効果を生み出すかを想定しておくことも、設計時点での目標値になり、また他の関係者とそれを共有しておくことができます。

  • 定量効果/業務スピードの改善
    予め現行業務(作業)の情報収集をしてありますので、該当プロセス全体の現行工数(作業時間合計)と、新プロセスの想定工数(作業及び処理時間合計)を比較します。
      改善率=削減時間÷現行時間×100
    ロボット自体はまだ出来ていませんが、想定の処理時間を積み上げます。(これはWinActor開発経験者でないと難しいです)
    またロボット処理時間によっては双方が同程度になることがあるかもしれません。
  • 定量効果/人の業務時間の削減
    ここでは人の行う作業時間が何時間削減されるかを算定します。
    これにより担当者がその時間は作業から解放され、別の作業を取り組むことができると考えられます。
    また日々の業務の場合、月間や年間で積み上げると大きな削減効果が生まれることになるでしょう。
  • 定量効果/業務品質の改善
    こちらはエラーやミスの件数削減という意味です。現行業務の情報収集において発生している人のエラーやミスがある時、その部分がロボットに置き換わるとゼロになります。
    こちらも月間や年間で試算するとよいでしょう。
  • 定性効果
    数値では表せない効果があれば挙げておきます。細かいことでも自動化意識の高まりが部署内や部門内に広まって、いろいろな相乗効果が出てくることを期待します。
  • 補足/自動化全体の評価や今後の改善
    実際に設計作業を行うと、当面の自動化以外に、今後の改善提案などが出てくることがあります。リソースやタイミングの問題で段階的に行うケースもありますので、気づいた点を挙げておきます。
    自動化以外にも、体制や社内ルール、様々なしがらみなど、何か新たな課題や改善すべきことがあれば提示しておきましょう。



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