業務システム と言っても規模には大小さまざまなものがあります。今回はどのような企業でも利用している「手元の業務システム」であるExcelに焦点を当ててみたいと思います。
Excelシステムの問題点を解消
Excelは万能ツールで、これひとつでデータ集計、計算、グラフ作成、レポートまでこなします。
しかし誰でも使えるが故に、Excelを使って業務システムを作成すると困りごとがいくつかあります。
よくある例として、誰もがExcelファイルを編集できるのでレポートを壊す可能性があります。
設定した式を数値で上書きしてしまう。データの列定義を追加削除できてしまう。これらが原因で毎月出力するレポートが更新されなかったり、別システムとの連携トラブルが起きたり、自由度の高さからくるトラブルも多くあります。
システム構築を考える際に[取り込み][加工][変換・分析][公開]を分けて考えますが、Excelの業務システムはこれらをすべてひとつのExcelファイルでできてしまうためトラブルになることが多いです。これらをふさわしいツールにそれぞれ任せてしまいましょう。
データの入力は Power Apps
データ保存場所は Excel
レポート作成は Power BI
それぞれ担当を分けることでデータが壊れることを防ぎ、システム開発を分担し、元データの再利用しやすくできます。
データ入力フォームはPower Apps
Power Apps はExcelにデータを更新するためのフォームを作成することが出来ます。システムの[取り込み]部分を担当します。
PCではなく、タブレットやスマートフォンを入力端末にすることが出来ます。Excelファイルをスマホで開くことは大変ですが、スマートフォンに最適化したアプリフォームを作成することで外出先やスキマ時間を利用したデータ入力を行うことができます。
データ保存は従来通り Excel を利用
データはそのまま Excel を利用します。
保存場所をファイルサーバーではなく、 SharePoint、OneDriveに保存することでデータソースとしてExcelを活用します。できるだけ従来通りのやり方から大きく変えないことが可能になります。
レポート作成に集中する Power BI
Power BI は[加工][変換・分析][公開]を担当します。(加工や変換を別のシステムで担当することもあります)
Power BI レポートを開くたびに最新のデータソースを参照できるの、レポート利用者は常に最新のデータ分析を行うことが出来ます。
同じ元データを使った別レポートも、データのExcelファイルをコピーや修正することなく、Power BI 側で別レポートを作成するだけなのでデータ分析業務を行いやすくなります。
本記事のまとめ
データの入力部分と出力分を切り分けることで、Excelへアクセスを人間から切り離します。人間によるデータの破損を回避するだけでなく、いくつかのメリットも見出せます。
せっかくExcelのセルに式を設定したのに誰かが数値で上書きしてしまった」トラブルが無くなる大きな安心感。 スマートフォンを使ったかんたんな入力画面で入力忘れの削減。データはExcelのままなので、データ修正も簡単に行える。Power BIのレポートは直感的で1つのレポートでドリルダウン分析も可能。別のレポートも元のExcelを変更することなくPower BI だけで作成が可能。
多くのメリットがあります。もちろんすべてのパターンに当てはまるわけではありませんが、多くの既存Excel業務をシンプルにすることが可能になります。
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