【動画&資料共有】「今、企業のデジタル化で最優先すべきことは何か?」IHS特別企画セミナー with 出光興産㈱ CDO 三枝幸夫氏
~ コア業務の自動化、高度化に向けて~
セミナー概要
2020年10月15日、出光興産執行役員・デジタル変革室長(CDO)三枝幸夫氏、モデレーターとして株式会社インプレス『ITLeaders』編集主幹田口潤氏を迎え、特別企画セミナーを主催。大盛況となりました。
テーマは「今、企業のデジタル化で最優先すべきことは何か?」。当日は「100年企業、売上高6兆円の出光興産㈱におけるDX先端取組事例」のお話を伺い、参加者からのご質問に回答し、弊社CTOが「IHSの顧客が抱える課題、成功への近道」についてお話をしました。
出光興産㈱
三枝幸夫氏
㈱インプレス
田口潤氏
弊社CTO
河野雅輝
ご参加いただきました皆さまからは動画を共有して欲しい、また残念ながらご参加頂けなかった皆さまからセミナーの概要を教えて欲しい、とのお声をいただいております。本ページでは、セミナー概要資料、並びに動画を共有し、内容を紹介させていただきます。
ご参加いただいた方の声
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DXを推進するにあたり、方向性を示すだけでなくDX要員が現場に入ってやって見せ、共創→自走とステップアップしていくという進め方が大変参考になりました。
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まだDX化への第一段階で情報の基盤整備の段階ではありますがそれ一つとってもデジタル化を推進する以前の課題がなかなか構築できなくて、組織展開等、非常に参考になりました。
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大いに参考になりました。DX推進はERP導入と同様にトップの強力な推進が必要と思います。出光興産様の社内でのシステムの多さには予想以上で驚きますが、現場を巻き込んで推進していくという考えは基本的には従来と変わっていないと思います。
100年企業のデジタル変革
出光興産㈱CDO 三枝幸夫氏
■Contents(三枝氏登壇時スライドより抜粋)
- 出光興産の事業について
- DX(デジタル変革)推進の背景
- 事業会社としてのDXとは(スライド例1)
- デジタル変革室Vision、Mission
- バリューチェーンの縦と横を繋ぎシナジー効果創出
- まずはPlant保全:保全業務変革取組背景
- 既存事業における新たな顧客価値創造
- 顧客視点でのデジタル変革アプローチ
- 「ニューノーマル時代」オープンイノベーション活動
- 新しいビジネスの創造と既存事業のシナジー
- 100年企業での気づきと今後の進め方(スライド例2)
- 現場の強みを活かしてこその企業変革
- デジタル推進室が目指すファンクション(スライド例3)
- SIパートナー様への期待 etc.
スライド例1
[概要]
DXの定義は、「ビジネスプロセス全体をデジタルで変革させ、顧客価値創造や従業員体験を向上させていくもの」。これは出光興産や他の企業でも共通と認識。
DXは、魔法の箱ではなく社員全員で進める事業変革である。これを前面に出し、啓蒙活動から実施中。
DXのアプローチは、 3カテゴリーで進めると定義。「従業員の業務プロセスを最適化する社内のDX」、「ビジネス変革でお客様へ新サービスを提供するDX」、「足りないピースを企業間連携で進めていくDX」。
スライド例2
[概要]
戦略提示、技術サポートのみでのDX推進は難しい。現場は多忙、使命感や責任感が高く、課題も山積み。「DXが良くても実行する時間がない」が、実際の状況。
3つのステップを踏む。まずデジタル部隊が現場にDXの良さを理解していただく。現場の課題を理解し、解決策を提供し、利用してもらい、評価していただく。
ステップ2で、課題の優先順位を変えていただき、共創型のチームを組成。ステップ3で、現場が自らDX推進。
スライド例3
[概要]
デジタル推進組織(DXセンター)はコーポレート部門としてあるが、スケールアップしていく際には各事業部の中にDXチームがあって自ら進めていく。
コーポレートは業務横断のプロジェクト進行のサポートを担い、技術や人材を提供していく。
セミナー参加者Q&A
モデレーター㈱インプレス編集主幹田口潤氏
■Contents(セミナー時 質問より抜粋)
Q.事業や技術の現場をどう巻き込むか(以下要約)
A.現場は、DXと言われても暇がない、が正直なところ。戦略など口だけでは全く進まない。やってみせて、一緒にやって、徐々に移していく。多少の時間はかかる。
前職(ブリヂストン)ではワンステップ進めるごとに新たな問題に気づき、非常に時間がかかった。現在は最初から構想を描き、同時に教育プログラムなども作り、現場と一緒に運用していけるように進めている。
Q.具体的に進めている施策や取り組みは何か
A.出光興産は「海賊と呼ばれた男」の映画のモデルになった会社であり、改革の精神はとても感じるが、現場の実態は、現状の業務効率を追求していることで忙しい。
だから現場の時間と考える余裕を創ることが大事で、現場のデジタル化から着手している。そして現場が挑戦するためのツールとして、デジタルの良さを理解するための、様々な教育プログラムを用意している。この2つ。
Q.システム間のデータ連携でどんな課題があるか
A.データの連携は、力業で可能でもある。それより、保有しているデータに過不足があるようなケースの方が課題感は大きいと思っている。
どのような情報を保有していれば共有できるのか、情報の共有を前提に、必要な情報を整理するのが大事。
Q.業務運用上のKPIをどのように設定するか
A.既存システムの利用度合いが一つのKPI。
社内システムのエンドユーザーは従業員。従業員がよく使い、稼働率が高いシステムや機能を、まず把握したい。例えばアプリでよく使われるボタンが大きくなっていくイメージで、視覚的に分かるフロントエンドにして、パフォーマンスをマネジメントしたいと考えている。
社内用のシステムでもDevOpsをやり、使ってない機能は停止し、利用度が高い場合は表に上げ改善したい。
Q.DXの予算をどのように計上するのか?
A.イノベーションや新しいことにかける予算を、例えばCVCを立ち上げてファンドとして持つ考え方がある。それに近い形でロードマップを描き、目指すところに対して年間これくらい投資していこうと、ファンド的な扱いができるといいなと考えている。
ただし、現状の財務の仕組みには当てはまらず、例えばROIの計算をどうするかなどは、これからの議論となる。現時点で解があるわけではない。
IHS 顧客が抱える課題、成功への近道
IIMヒューマン・ソリューション㈱CTO 河野雅輝